絵のこと その11
笹島 喜平「国士峠の富士」
「絵のこと その3」でちょっと触れましたが、お正月ですのでやっとこの絵の出番が来たかと引っ張り出してきました。
以前は、時代遅れで殺風景な版画だと思っていましたが、玄関に掛けてみるとなかなかいいじゃないかという気がしてきます。
わがままで頑固だった父の憎たらしい顔が脳裏に去来しないこともありませんが、ま、富士山が世界遺産になったことですし、おおむね、縁起のよい気が漂う力強い絵だと思います。
考えてみると、富士山ってこんな白黒でもちゃんと一瞬でわかるってすごいですよね。
しかも、脳内でつい、いろいろな色を着色して見ちゃうのですから、日本人の富士山映像のデータベース容量ってものすごいですよね。
ところで、さっきGoogleストリートビューで見てみると、国士峠は植林の杉林が遮っているため、今では富士が見えなくなっているようです。