おじいさん骨折
連休中、夫が旅行に行き、私がミステリー三昧していた頃、
おじいさんは、骨折して寝込んでいました。
家の前の溝を掃除しようとして足を滑らせ、くるぶしのところを強打して歩けなくなったため寝ていたと言います。
水曜日に実家で、やれ頭が痛いの歯が痛いのという母の愚痴を聞いていたら、うちの娘から電話があって、「おじいさんが足が痛くて歩けないらしい。」と言うので初めて知りました。娘はその時お米を貰いに来ていたのです。
連休中、煮物を持って行った時、電気は付いていないし、人の気配がしなかったので、私はてっきり温泉かどこかに出かけているのだとばかり思っていました。おじいさんも旅行好きなのです。ところが、その時おじいさんは寝室で布団を被ってずっと寝ていたのです。
すぐに帰って、「病院にいきましょう。」と言うと、「湿布を貼ってもらったら痛みがなくなったから行かなくていい。」と動こうとしません。「骨にヒビが入っているかもしれませんよ。レントゲンを撮ってもらいましょう。」と言うと、「前、骨にヒビがいったことがあったけど、寝ていたら治ったから大丈夫。」と言って、私が買って帰ったお弁当をもりもり食べてまた寝てしまいました。おじいさんは溝に落ちてから3日ほど、蒸かしたさつまいもとじゃがいもと、カップ麺を食べてしのいでいたのでした。
いかに言おうとも、あの腫れ具合は尋常じゃないと思い、「湿布薬も病院でもらえば安いですよ。」と説得して、次の日整形外科で見てもらったら、足首の腓骨がポッキリと斜めに折れていたことが判明しました。そして手術が必要だということで、総合病院の整形外科を紹介され、すぐその翌日(つまり昨日)、プレートで固定する手術を受けました。CTを撮ると、前骨折して治ったところがあって、関節にカルシウムが沈着しているので、「痛くないですか?」と聞かれましたが、おじいさんは「全然痛いことはありません。」と答えていました。ずーっと、「寝ていれば治る。もう治りかけている。」と言い続けて、いろいろな人に笑われました。
おじいさんの骨は丈夫で綺麗なので、きっと早く治るだろうということでした。
しかし、自宅に帰る前にリハビリをしなくてはならず、リハビリ専門の病院に転院する必要があるそうです。うわー、ちゃんとおとなしく転院してくれるだろうかとちょっと不安に思いました。でも、家に帰ったら絶対、米俵を担いで歩くに決まっているので、完治するまではおとなしく入院していてもらわなくっちゃいけません。
という訳で、私はまた冬のパジャマを買ってきて、ウエスト、袖丈、ズボンの裾を直す作業に追われました。おじいさんの冬のパジャマはみんなスウェットなのですが、スウェットのズボンはギブスが通らないのです。チクチクやっていると目眩がしてきたのでとうとう堪忍袋の緒が切れて、ミシンを買い変えに量販店に駆け込みました。そして13000円のミシンを買って、悪戦苦闘しながらやっとこさ一晩かけて直し、今日持って行ったところです。おじいさんはすっかり元気で、帰りたそうにしています。
夫はお見舞いにも行かず、今日は広島の親戚を訪ね、牡蠣とミカンを買いに行く予定です。きっと、サメみたいにいつも泳ぎ回っていないと窒息して死んでしまうんだと思います。