記録帳

日常の体験と、読書、映画の感想を主に書きます。

庭のバラ その2

大失敗の巻

毎年冬から春にかけて、ホームセンターの入口付近は、私にとっての危険地帯になります。バラの苗が大量に入荷するからです。

私の住んでいる広島県福山市は、「ばらの街」がキャッチフレーズになっていて、市民のバラ栽培が推奨されているせいか、珍しい品種のバラ苗も普通に売られています。目を止めるとついつい買ってしまうので、出来るだけ見ないようにして足早に通り過ぎることにしているのですが、それにも関わらず、つい視線が引き寄せられてしまうことがあります。

「ダメ、ダメ、ダメ!苦労するってわかってるくせに。」

と、自分を叱責しながら無理やり視線を引き剥がして帰るのですが、十回に一度くらい、手遅れのことがあります。ラベルの美しい写真が脳裏に焼き付いてしまって、何をしても手につかず、四六時中そのバラのことが頭から離れなくなるのです。

一目惚れってこんな感じ?

(人間には一目惚れしたことがないっていうのが悲しいところですけどね。)

踏ん切りが付かないまま、毎日せっせとホームセンターに通って苗を前にため息をつき、「飲み屋のお姉さんに入れ込んで、せっせと通う男の人」の気持ちが少しわかったような気になったりします。(例えが悪過ぎ?)

 

そして時には、後先考えずえーいと買ってしまって大失敗をします。

去年はこのバラでした。

エバンタイユ・ドール

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丸弁でふんわり開く金色をした花弁は、
その名のとおり優美な”金の扇”のよう。
やわらかに光り上品かつシックな趣きのあるバラ。(河本バラ園)

この色合いを見てください。ハートをわし掴みです。

とうとう魅力に抗うことができずに買ってしまい、早速鉢に植え替えるや、毎日せっせと水やりをして大事に育てていたのです。

「暑さに弱い」と書いてあったのでシェードの下にも入れていました。

なのに、なのに、・・・枯れてしまったのです。

なぜ?

 

その原因がわかったのは、最近買ったバラ栽培の本を読んだ時でした。

エバンタイユ・ドールは、「手を掛けて育てるタイプ」のバラで、耐病性、耐陰性、耐暑性共に弱く、栽培難易度の高い玄人向きの品種だったのです。

「暑さに弱いのに日陰にも弱いって、つまり冷暖房完備の温室で育てろってことか?ジョーダン!」

と思ったのですが、冗談ではなく、本来バラ栽培業者が温室で育てることを想定して作られた品種のようなのです。可哀想なことをしてしまいました。

日照不足と加湿で根腐れしてしまったに違いありません。

深窓の令嬢をかっ拐って安アパートで同棲を始めたものの彼女は慣れない貧乏生活に疲れて胸を病み、ついに儚くなって一人残され悄然とする貧乏書生・・・

みたいな、惨めな気持ちになりました。(例えが時代がかっている?)

 

ということで、また何度目かの失敗を経験して、やっと私は目が覚めました。

・・・って辞めちゃうってわけじゃありません。

 

踏んでも蹴ってもちゃんと咲く、素人向きの丈夫な品種を植えるのだ

バラ用用土、バラ用鉢、バラ用肥料、バラ用殺虫剤、バラ用活力剤・・・自分で配合しようなんて100年早い。お金を掛けて万全の態勢でお嬢様たちをお迎えするのだ。

雨が掛からない屋根付き夏越し小屋を建てるのだ。

バラの溢れた夢の庭目指してがんばるぞー!

・・・って、こういうのを

「病膏肓に入る」っていうのでしょうか。

 

さらにつづきます。