絵のこと その14
ずいぶんとご無沙汰しております。
桜が咲いたという写真をアップしようと思っていたのに、あっという間に散ってしまったので、サクランボのジャムを作りましたという記事を書こうかと思っているうちにジャムは食べ尽くし、もうそろそろ梅雨が来そうではありませんか。
こんなに間が空いてしまったのは、家族のゴタゴタが原因です。(娘が離婚騒動を起こしていて、アパートから婿を追い出したので、彼を引き取って今同居中・・・。向こうの実家には内緒。なんか変な事態ですね。それで、裏に「離れ」〈物置とも言う〉を建てている最中で、そこには大量の本ごと夫に移ってもらって、空いた部屋〈元々娘の部屋〉に婿が入る予定。)だから忙しいのです。
まだアップしていない絵がたくさんあるというのに、つい、またヤフオクで買ってしまいました。
油絵 藤井哲 「立話」
小さい絵で、サムネイルというのか、もしかして、何かの下絵だったのかもしれないとも思うのですが、スペインのおばちゃんの雰囲気がよく出ている親近感の持てる絵なんでいいかなと思います。
裏のラベルの字が作者の筆跡ではなくって、額縁も比較的新しいようなんですよね。ホンモノか?(いや、ニセモノを作るような有名な人じゃないし・・・)
藤井氏は1969年にスペイン北部ガリシア地方の漁村を訪ねる旅をしていて、「ガリシアの浜の女たち」など、この地の人々の生活をを多く絵にしています。だから、これは帰国後にスペインの庶民の生活を思い起こしながら描かれたものだと思います。
足元の白いのはニンニクの束。桶は多分洗濯物を入れたものでしょう。
以前買ったロバの絵を思い起こさせる、鄙びて朴訥な感じが出ています。
ちなみに落札価格は、競り合う人がいたので1万3500円でした。
教会の絵について・・・
そこでちょっと、以前の記事、絵のこと その9 - 記録帳で訂正があります。
ロバと教会の絵ですが、タイトルが違っていました。
教会の方は、「サンチャゴへの道シリーズ 村の教会 トリアカステーラ村」で、
ロバの方は、「アラゴンの村三部作 その三 帰路」でした。
私は、どちらもアラゴン三部作の一部だと思い込んでいて、藤井氏がゴヤの足跡を辿る旅をした時の絵だと思っていたのでしたが、教会の方は違っていました。
ちゃんと裏のラベルを読めばよかったのに、バカでした。
この絵の教会はどこの教会かとネットで散々調べたのですが、スペインには教会が星の数ほどあって、多すぎて到底わかりはしませんでした。
寂れて廃墟っぽい感じですが、ひょっとすると、わざと大聖堂の一部を切り取って創作したのかな、なんて疑ってたんですが、とんでもない濡れ衣でした。
タイトルのトリアカステーラ村には、確かにこのような教会がありました。
古色蒼然としているところなんか、そのまんまです。
「サンチャゴへの道」というのは、有名な聖地巡礼のルートのようですね。
スペインだけでなく、世界中から行って、このルートを辿る旅をした人たちのブログがたくさんヒットします。
まあ、新しい絵を買ったのがきっかけで、調べていろいろわかったのでよかったと思います。
追記
気になって額の裏蓋を開けてみたところ、ちゃんと署名があって、
このおばちゃんたちはやはり、ガリシア地方を旅した時のスケッチを元に1971年に描かれた絵だということがわかりました。よかったよかった。