スッポンの捌き方
またもや悪臭・・・
おじいさんが親戚の人達と墓参りに行ったので、その隙に家の掃除と洗濯をしようとあちらの家に行ったところ、台所からスゴイ悪臭がするではありませんか。
どんな臭いか、正確に描写すると、犬のエサ(サイエンスダイエット)をとんこつスープで煮ておしっこをかけたような感じです。いや、そんなことをしたことはないので正確には言い表せないんですが、ともかく非常に濃厚なケモノ臭の混じった出汁の臭いなんです。私は、もしやどこかにしまい忘れた猫の餌が湿気て大変なことになっているのではないかと探し回りましたが見つかりません。そして、最後に、コンロの上にかけてあった大きな鍋の蓋を開けてみると、・・・
「ギョエー!」と叫んで腰を抜かしそうになりました。
鍋の中には、中くらいの大きさのスッポンが丸ごと、クタクタに煮られた姿で入っていました。悪臭の正体はそれでした。
スッポンって、結構いますよ。
うちの裏には農業用水路が通っていて、時々、そこからスッポンが裏庭に迷い込んでくることがあります。夜、犬の散歩をしている時も、行き倒れになったスッポンを見つけることがあって、去年なんか3匹も捕まえました(最初に見つけて捕まえるのは犬ですが)。メダカ用の風呂桶で飼ったこともありましたが、あいつらはおしっこが臭いのです。度々水換えをしなくてはならず、あまりに面倒なので溜め池にもどしてしまいました。
なぜこんなにスッポンがたくさんいるのかというと、ずっと山の上の方でスッポンの養殖をしているところがあって、そこから逃げ出したスッポンがあちこちの溜め池で繁殖しているようなのです。すぐ近くの溜め池ではあまり見ないのですが、車で5分程走った道路沿いの溜め池では大量繁殖しているようで、浅瀬の石の上で何百匹ものスッポンが甲羅干しをしている驚きの光景を目撃したことがありました。
私が度々遭遇するはずです。
スッポンの捌き方
スッポンは、上の甲羅と下の甲羅がくっついていません。ほとんどがコラーゲンで出来ているので切込を入れていくとパカッと蓋を外すように外せるのです。内蔵はよくわからない人は捨てた方がいいと思います。なぜって膀胱の中にはアンモニア臭フンプンのおしっこが入っていて、これを誤って破ってしまうと、肉に臭みがついてしまうからです。おじいさんはそんなことも知らなかったので丸ごと煮てしまったようです。
スッポンの捌き方を検索すると、昔と違って大変わかりやすい動画やサイトがいっぱい出てくるではありませんか。ここに You Tubeの動画をペタっと貼り付けたかったのですが、さすがに血まみれ過ぎる映像なので断念しました。
ずっと前に、おじいさんが、スッポンを獲ったから料理してくれと言うので、四苦八苦しながら捌いてスッポン鍋にしたことがありました。あの時はみんな美味く食し、お肌もツヤツヤになりました。だから、先日また裏庭でスッポンを捕まえて、自分でも料理してみようと思ったのでしょう。
そして、
おじいさんが帰ってくるなりすぐに、こんこんと説いて悪臭を放つアレは捨ててもらいました。「膀胱を取らないとアンモニア臭がひどいんですよ。」と言うと「うん、臭かった。」と頷くのですが、その臭いだし汁を雑炊にして2、3日食べたというので、私はまたひっくり返りそうになりました。
おじいさんは盲腸炎で入院していた間に体重がひどく落ちてしまったので、先週まで強制的にワタミの宅食を届けてもらっていたのです。なのに、もう良くなったからいいと言って断り、自分は何なりと作って食べるし、店に行けば何でも売っているのだから心配しなくてもいいと言い張るのです。特に魚が嫌いで、肉もあまり食べないので私がいろいろ持って行くのですが、冷蔵庫の中に1週間も2週間も残っていたりします。「タンパク質、タンパク質」とうるさく言って心配していたのですが、丸ごとスッポン煮とはテキもさるものです。
おじいさんのような人をなんと言うのだろうと考えましたが、どうもうまく説明できません。亡くなった義母は「昔人間」と言っていました。うーん、ちょっと違うような、「ワイルド」?「非常識」?何だかあんまりいい表現は出てきません。
それにしても、ボケてはないのに、ボケていた私の父よりも非常識なことを度々しでかすってどういうことよ?
と、私はまたゴジラのようにガオーっと叫んだのでした。