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記録帳

日常の体験と、読書、映画の感想を主に書きます。

毛皮を洗う

日常

おじいさん(義父)が入院している隙に、大掃除をしました。

自分ではちゃんとやっているつもりなのでしょうが、一昨年おばあさん(義母)が亡くなるまで、家事の経験が何もない人だったので、あちこち汚れが目につきます。

病院、掃除、洗濯、と、まるで実家の父母の入院中にやったことの繰り返しのようです。私は基本、家事が嫌いで、人の世話も嫌いなのに、なぜかいつもこういうことをしなければならないようなめぐり合わせになっています。いろんなことを見過ごしにできない性格ってことでしょうか。犬や猫も、捨ててあったらつい拾ってしまうし・・・・。

 

で、おじいさんのところの客間を掃除していたら、なぜかケモノ臭がして、「なんだろ?」と匂いの元を辿ったら、毛皮(ムートン)の敷物なんですね。毛皮は、湿気るとケモノ臭がすることがあるのです。

この敷物は、元々は「毛皮の敷布団」ということで、訪問販売の丸八に騙されておばあさんが買ってしまったものです。「処分大特価」ということで2組で30万円だったそうです。金額はおばあさんが亡くなった後、私が領収書を見つけて発覚しました。それまでは金額については内緒だったんです。大きめのマット3枚が合わせるとちょうど敷布団1枚分のサイズになっていますから、2組みで都合6枚ってことなのです。いかに言っても高いじゃありませんか。マット一枚あたり5万円の勘定です。それを、おばあさんは敷布団としては使わず、縁側に敷き詰めて座布団替わりにしたり、ベッド下のマットにしたりしていました。一枚なんかは猫の敷物になってたんですよ。

 

しかも、腹が立つことに、丸八は羊毛の布団だの毛布だの散々高いものを買わせた挙句、おばあさんが「もう買えない」と言うと、名簿を悪徳業者に売ってしまったらしく、その後度々不正請求のハガキが届くようになってしまったのです。おばあさんが自分名義でクレジットローンを組んだのは、これが人生で最初で最後なのです。なのに、「高額商品を買った騙されやすいお年寄り」みたいな名簿に乗ってしまったらしいのですね。

手を変え品を変え度々ハガキが来て、いくら私が「これは詐欺です。」と言っても、電話すると言って聞きません。「訴えるって書いてあるよ。」と怯えるのです。

ネットで調べて、

「この住所を調べましたが、この番地は空き地です。」

佐賀県警のホームページに架空請求悪徳業者名一覧が載っていて、この名称もそこにあるのです。」

「もし電話をしてしまったら、相手にこちらの番号が知られますから、あることないこといちゃもんを付けられて、お金を振り込まされますよ。」

などと口を極めて言っているのに、わかってくれないのです。とうとう、警察に届けて、

「もうハガキは警察に届けたから、絶対電話してはいけませんよ。」

と言うとやっと納得してもらえました。

私の言うことが信用できないのかよ!とつくづく情けなくなった一件でしたが、それはそうと、毛皮です。

 

これ、洗濯できないと表示に書いてあるのです。「汚れたら丸八に連絡してください」ってラベルにありますが、誰がするかよ!今度丸八の販売員が来たらぶっ飛ばしてやるぜ!

 

それで、色々と洗い方を検討したのですが、昔、スエードの服をシャンプーで手洗いしたという話を雑誌か何かで読んだ記憶があって、「確かに、シャンプーって髪を洗うものだしな。」と試しに一枚手洗いしてみたのですが、これが大変でした。

革のついたムートンなのです。革を縫い合わせてある表と裏布の間に詰め物のマットが入っていて、それは両はしを縫い付けてあります。だから裏布をチョキチョキ切って、マットの両はしもチョキチョキ切って抜き出し、詰め物は洗濯機、毛皮は私の使っている高級シャンプーで洗った後、リンスをすり込んで、3日程陰干しし、また元通りに詰め物を戻してから切ったところをチクチク縫い閉じないといけません。これが6枚もあるのです。

洗っては干し、洗っては干し、チクチク、チクチク、もー何をやってんだか・・・。

私の高級シャンプーも使い果たしてしまいました。丸八、呪ってやる!

まあ、おかげでケモノ臭もほとんどなくなり、猫の敷物になっていたすっごく汚いマットも回復しました。なんせ一枚5万円ですからね。

 

もー、実家の父にしてもそうでしたが、年寄りって、亡くなった後、目の玉が飛び出るような買い物をしていたことが発覚することがありますよね。ビンボーなのに!

おばあさんなんて日頃ケチケチ10円、20円の節約に励んでいたくせに、30万もあれば、どれだけのものが買えたでしょう。毛皮の敷物が欲しいのなら、私がいくらでも安い奴を買ってあげたのに・・・。今となっては手遅れですが、あの敷物を見るたびに情けなくなってきます。そして、今、おじいさんは、マットの値段も素材も知らないで座布団替わりに使っています。説明してもわかってもらえるかどうか。いえ、おばあさんが内緒で高価な買い物をしてひどい目にあったってことを暴露していいものかどうか。とりあえず、マットはみんな洗ったので、防虫剤といっしょに布団袋に入れて押し入れにしまい込みました。おじいさんがこのまま忘れてくれるといいなあと思っています。