記録帳

日常の体験と、読書、映画の感想を主に書きます。

TVドラマ「リスクの神様」

最近、民放のTVドラマはあまり見ないのですが、「リスクの神様」はおもしろいと思いました。

企業の危機管理の話です。

 

第一話、サンライズ物産が社の命運を賭けた、次世代バッテリーLIFEを搭載した自走式掃除機が発火するという事故が起こります。LIFE開発プロジェクトの責任者である神狩かおりは、最初「ありえない!」と一蹴しますが、危機対策室長の西行寺は、クレームに対して過剰に思えるほどの謝罪と補償をし、同時に事故の原因を究明していきます。

サンライズ物産と共同で、LIFEプロジェクトのための子会社ライフパワー社を設立した生島電気取締役の生島は、事故の原因がバッテリー部品自体にあり、製品テストによって本当は発火する可能性もあることがわかっていたのに、そのことを神狩に隠していたのです。そして、自走式掃除機は全て回収、返金。神狩はすべての責任を負って避難の矢面に立ち、辞任に追い込まれます。

 

なんともぞっとするような展開ですが、「ありえない・・・」と思うような事態が実際によくあるということを私たちは何度も経験していますよね。そんな時、どう行動すればよいのか、このドラマは教えてくれます。

 

第二話では、危機対策室が、サンライズ物産傘下の豊川フーズで起きた異物混入事件に対処します。カップスープにネジが入っていたという、ちょっとありえない事故に当初は言いがかりではないかと疑われます。サンライズ物産から出向し、経営の建て直しをしていた社長の天野は、「私には責任はない。」「私は被害者だ。なぜ謝罪をしなくてはいけないんだ!」と、対応を下にまる投げして逃げるのです。慣れない謝罪会見で大失敗して、豊川フーズは窮地に立たされます。

原因を究明していくと、リストラの断行によって大勢の社員が過酷な目に遭い、辞めていったことが明らかになります。本来ならありえないネジの混入は、工場の仕組みを知り尽くした人間の仕業だったのです。

西行寺は、「リストラによって、一見経営は改善したように見えるかもしれないが、そのやり方のまずさがこのような危機を招き、そして、企業にとって一番大切な人材と経験をなくしたことによって、今回の危機を乗り切る力を失ったのだ。」と天野の責任を厳しく追及します。

 

確かに・・・・、危機的な状況に陥った時にその人の真価がわかるということが、私もここ数年でやっと理解できたので、このドラマのセリフはいちいち心に染みてきます。

「危機こそチャンス」という西行寺の言葉は、まだそうは思えないのですが、危機の時、いち早く逃げていくやつは信用してはいけないということはわかりました。(うちの夫のことですが。)「ありえない」などと言う奴はリスク対応能力がないから、怖くて目をつぶっているだけなのです。怖くっても、リスクを想定し、直視し、いざとなったら捨て身で対応するべきなのです。ここ数年、いざという時に逃げる奴ばかり見てきてうんざりなんで、このドラマで少しスカッとしました。

 

さて、今話題の新国立競技場ですが、計画を白紙に戻して、後々禍根を残さないリーズナブルなものになるでしょうか。ニュースを見ていると、みんな自分は悪くない、責任はないなどと言ってて胸糞が悪いですよね。一昨日だかのミヤネ屋で、コメンテーターの岸博幸さんが、「もはや安倍総理がリーダーシップをとって、中止を宣言し、一から計画を立て直すしか方法がない。」と言っていて、今日、早速安倍首相が「ゼロベースで見直す」と宣言したので、ちょっとホッとしました。

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自民党政権は、今まで維持にお金の掛かるハコモノばっかり作ってきて、そうでなくても今後のインフラ維持費用に困っているっていうのにまたもやろくでもないものを作りやがったら、あの競技場は密かに「安倍バブル見栄っ張り競技場」とでも命名してやろうかと思っていたのですけど、ま、見栄を捨てて方向転換したのは偉い、と評価しましょう。私はスポーツ一般に興味がないんで、オリンピックもまるで見る気がないのですけど関係者の方たちはこれから頑張っていただきたいと思います。地獄を見るかもしれないですけど・・・