絵のこと その5
さっき書いている途中にうっかりリンクを踏んでしまって、全部消えてしまいました。
よくやっちゃうんですよねー、こういう失敗。完全に復元できるかどうか自信がない。
贋作の横行
ヤフオクで絵を買い始めてから驚いたのは、偽物が多いってことです。
複製とか模写とか、明記してあるのならよいのですが、紛らわしい書き方で誤解を誘うので、何も知らない人は、「おっ、こんな有名な画家の絵が、安い!」と飛びついてしまいそうです。
特に片岡球子とか、草間彌生とか、模写しやすく、有名で高額でもあるせいかすごく目立ちます。そういう偽物を出品している人には、さぞかしクレームが殺到しているかと思いきや、落札者のコメントは「ありがとうございました。早速飾りました。よいお取引ができて喜んでいます。」みたいなのがほとんどで、首をかしげてしまいます。偽物と知っていて、模写でもいいからと買ったのか、何も知らず、本物と信じて買ったのか・・・。後者ならおめでたいですね。値段が一桁違うじゃありませんか。(それでも1万円以上はするのです。)ポスターを買えばいいのにと思います。
では、今日のヤフオクでちょっと検証してみます。
片岡球子で検索すると、
「注目のオークション」というところに出てくる出品物は多分、全部ニセモノです。
「すべてのオークション」に出品されているリトグラフやシルクスクリーンが60万だの80万だのするのです。「肉筆」が1万、2万のわけないじゃりませんか。
(「カタログレゾネ」よりと書かれているものは精巧に印刷された画集をバラして額装しているもので、いわゆる画集の切り売りです。画集自体に希少価値がある場合もあるのですが、それにしても高いですよね。)
では、「注目度NO.2」の★片岡球子★額装『風景画』油彩★肉筆★を見てみましょう。(晒し上げになっちゃって、申し訳ないのですけどね。)オークションの終了まであと2日しかないので、ここに絵をアップしておきます。
ネットで画像検索してみると、似た絵が出てきます。
片岡球子の絵画を高価買取(無料査定)-絵画買取のギャラリーホープ
「五合目からの赤富士」
これ、元はシルクスクリーンですね。この華やかな色彩が片岡球子さんの身上です。
多分、4、50万は下らないかと・・・・
次に、この出品者の他の出品作品を見てみましょう。
二番目の★東郷青児★額装『人物画』油彩★肉筆★ですが、やはり2日で終了してしまうので、絵を貼り付けておきましょう。
これも検索してみると、もとは油彩ではなく、シルクスクリーンだということがわかります。本物は・・・
「花炎」
顔がちょっと違ってますよね。
さらに、★長谷川潔★額装『静物画』油彩★肉筆★は、
独立行政法人国立美術館所蔵 長谷川潔「コップに挿した枯れた野花」(1950年)
ちょーっと、違うっぽい。元は銅版画だし。
でも、これらはよく描けてる方で、私でも「へたーッ!」と言いたくなってしまうようなシロモノも、時たま出品されてたりします。今は、明らかなニセモノは値段が全然上がらないのですぐわかりますが、以前は、ニセモノに違いないのに値段がつり上がって行って、何万円も出して落札する人が結構いました。
去年、お笑いだったのは、「マーク・ロスコ 習作」とかいう絵です。「 ニューヨークで仕入れてきました。ヤフオクのガイドに従って、本物であるという鑑定書がついてないので贋作として出品しますが、出品者は本物と信じて買ってきたのです。」みたいな注意書きがあって、いかにもロスコっぽい色合いなんですが、ロスコ独特の絵の具の塗り重ねで微妙な色合いが出ているのではなくて、薄ーく上下二色に塗り分けられているだけなんです。しかも、なんだかガーッと引っ掻いたような跡がついていて、こういうのはロスコの作風じゃない。裏のサインも、MだかWだかわかんないような雑な殴り書き。
ロスコって、ものすごく高いんですよね。
検索していたら何だか好きになってきて、ポスター買っちゃいました。