工作
私の実家の父や祖父は大変器用な人でした。
二人とも公務員でしたが、家には大工道具がひと揃いあって、ちょっとした家の修理くらいは自分でやるのを見慣れていたので、私は男の人はみんな普通に大工仕事ができるものと信じていたのですが、結婚してから、その思い込みが完全に間違っていたことを思い知らされました。夫には日曜大工の才能がないのです。
例えば昨年のことです。
裏のストックヤード(物置)に雨が降り込むので、端にひさしをつけるか、あるいはホームセンターで冬によくやっているような、丈夫なビニールのカーテンをつけて欲しいと夫に頼みました。家の裏に作った波板のストックヤードは、両端が開いているため暴風雨の時に雨が降り込み、コンクリートの床を川のように水が流れるという惨状に見舞われるのです。昨年は特に大雨が多くて、我慢できなくなったので頼んだのです。
ところが、夫は気軽に返事をするやおもむろに、使わなくなったテーブルクロスを引っ張り出して来て、それを二本の廃材に押しピンに止めつけ、端の入口に立てかけ、「ほら」と自慢げに言うではありませんか。・・・絶句しました。ここまでアホだったとは・・・。もちろん、そんなもんは通行の邪魔になるのですぐ片付けました。
私は、夫に期待するのを諦め、すぐにホームセンターに行ってポリカ波板を買うと、あり合わせの角材で庇を作りました。それがこれ。
たった一日でできました。
釘をまっすぐに打つことの出来ない私の強い味方は、波板取り付けビス。
これなら釘を打てなくてもインパクトドライバー一つで波板の取り付けができます。
「なんだ、簡単じゃないか。」気をよくした私は、反対側にも同じく庇を取り付けました。
ちょっと歪んでいますが、ノープロブレムです。こちらは、ネコ小屋(手前温室)に接しているので、雨水が温室に流れ込まないように雨樋(廃材利用)も付けました。
雨水を排水桝に流すために使ったのは、洗濯機の排水ホース(廃材)です。
これで大雨対策は万全。これ以降、どんなに雨が降っても、土間に水が流れ込むことはなくなりました。
実は、庇を作るのはこれが初めてじゃありません。
4年ほど前、犬小屋を作り直した時に、雨が降り込まないよう、上に庇を作ったのです。
犬小屋自体はネット通販で買って、ドライバー一本で組み立てられるものですが、庇は廃材を使ったことと、たった一人で建てたために四苦八苦しました。わー、横から見ると屋根が歪んでるのがよくわかりますね。
夏は日よけを掛け、冬はビニールで保温します。わりと居心地がよいみたいです。
まあ、そんなこんなで、すっかりやる気が出てきたので、次に猫小屋の修理に着手しました。猫小屋にしている簡易温室は、猫が上によじ登って日向ぼっこをするので、ビニールが劣化し、屋根に穴が開いていたのです。
そこで、ネットのブログを参考にして、2×4材で上に切妻屋根を作りました。
波板の合わさったところはどうしようかと考えていましたが、ホームセンターに行くと、ちゃんとポリカ棟板というものがあるではないですか。ホームセンター大好き!
でも、猫の冬越しにはまだ不十分です。
うちの猫たち(2匹)は室内犬と仲が悪く、家の中に入ろうとしません。冬は温室にホットカーペットを入れてやるのですが、まだ寒いらしく、夜には納屋の方に行ってしまいます。そこで冬専用の猫小屋を作ってやりました。
ストックヤードの棚の上段です。私の頭より高いところにあります。猫って高いところが好きですからね。
入口はネコ用スウィングドアで、中は上下二段になってます。ペット用ホットカーペットが二つあって夜はずっとつけているのでぬくぬくです。
二匹とも気に入ったみたいで、この冬はずっとこの小屋で寝てました。
どちらが上の段のベッドを取るかで最初ちょっと揉めましたけど、早いもん勝ちということで納得したらしく、毎日寝場所が入れ替わっていました。
と、いうようなことを、去年の後半はやっていて、「ふん、どんなもんだい!」と言いたいところですが、ちょっと検索すると、DIYで物置やら犬小屋やら家まで建ててしまうようなすごい人たちがいっぱいいて、そういう写真を見ると、私のなんか日曜大工ですらなく、ただの工作じゃんと思えてくるので、タイトルは工作にしました。